私が徳之島を選んだ理由は、結の島ナースにある病院の中で唯一今まで働いていた循環器メインの病棟があった事と観光地化されていないところに魅力を感じたからです。
島に来てもうすぐ一年が経とうとしている今 私が一番感じていることは、ストレスフリーな生活ができていることです。

私は看護学生時代からずっと、海外派遣や離島医療に興味がありました。
社会人を経て看護学校へ入学し、卒業後は東京の急性期病院で4年間勤務しました。
3次救急の病院だったためたくさんのことを学ぶことができましたが、忙しさに追われてワークライフバランスは取れていなかったと思います。
そんな中同じ病棟にいた先輩が離島へ行くと聞いたのをきっかけに、私も当時の気持ちが再燃し、離島医療について調べていたところ見つけたのが結の島ナースでした。

何不自由しない東京での生活を離れることや、自分の経験値で離島での看護を努められるのかという不安を感じることもありましたが、ずっと経験してみたかった離島医療に触れられること、大好きな海がすぐそばにある生活が出来ることに楽しみの方が何倍も大きかったです。

島に来る前は、離島の病院はどんな診療科もみなければいけないし何でも屋で大変そうというイメージがありました。
実際に働いてみると、確かに様々な疾患の患者さんが来るため慣れないことも多くありましたが、今まで経験してこなかった診療科もたくさんみれるため、新しい知識を得るきっかけになりました。

急変時の対応では輸血が足りない際に職員からの献血を募って検査対応後輸血をしたり、都会の病院では絶対に経験できないこともたくさん知ることができました。

また離島での看護で一番驚いたことは、退院後の患者さんへ近況を伺う電話をしていたことです。
入院中だけでなく、退院後も患者さんの状態を確認しサポートしていける体制があるのは、離島ならではの距離感なのかなと思いました。

都会の病院に比べたら医療体制や設備も劣ってしまう点は多いため、出来ることに限りがある点に対してもどかしさを覚えることもありますが、離島ならではの医療や離島だからこそできる看護を知ることができました。

病棟では島外から来るナースも多く、皆さん受け入れに慣れているため、分からないことは聞けば丁寧に教えていただける環境があり、初めからとても働きやすかったです。

もちろん忙しい時もありますが以前の病院に比べたら圧倒的に残業は少なく、プライベートの時間も有意義に過ごせています。
定時で上がれることが多いので、日勤終わりには夕陽を見に行ったり、夏は陽が長いので仕事後に海にも入れます。

プライベートではダイビングやサーフィンが趣味なため、時間があれば常に海に行っているのですが、徳之島の海はあまり人が潜っていないので海が荒らされていなく自然のままの海を楽しめます。
また大体いつ行っても海は貸し切りなのも最高です。
波があればサーフィンをして、海が凪いでいれば潜りに行って、東京にいた時よりも忙しく充実した毎日を過ごしています笑

徳之島は離島と言っても、私の家からは歩いて5分もかからないところにファミリーマートがあるし、病院の近くにはマツキヨやスーパーが何件もあります。
島に来た当初に頂いた飲食店リストを見て色々なお店に食事に行ったり、夏は南国フルーツがたくさんあるので色々な果樹園のフルーツを食べ比べしたりするのも楽しかったです。

今この体験談を読んでいる方の中には、離島に行くことを迷っている方もいるのかなと思います。
地元を離れ、全く知らない土地で、ましてや不便を感じることもあるだろう場所へ来るのは勇気がいることかもしれません。
でも来てみたらどんなことでもなんとかなるし、それ以上に穏やかな人柄、穏やかな気候、毎日大自然に囲まれた生活ができるのは本当にかけがえのない経験になります。

挑戦することは中々勇気がいることですが、私にとってはそれ以上に得られるものが大きかったです。
離島に限らず全国で仕事ができるというのは看護師の特権だと思うので、もし結の島ナースの体験談を読んで、少しでも興味を持った方がいるのであれば、是非その一歩を踏み出して欲しいなと思います。
島外搬送等、離島医療でまだ経験したことのないものもたくさんあるため、残りの徳之島生活もさらに色々なことを経験していけるよう仕事もプライベートも全力で楽しんでいきたいと思います。