私は新卒から4年間、2次救急の混合病棟に勤めていました。
看護師3年目の終わり、他の病院に勤める同期と話している時に、自分は得意な領域もなければ技術もない・今の病院は働きやすいけど他の病院にも勤めてみたいと思い転職活動をはじめました。

小学校から専門までを全て実家から10キロ以内で過ごし、就職先も実家から近いという理由で決めて実家から出たことがありませんでした。
最初は実家から近い病院で探していましたが、25歳をすぎて一人暮らしをしたことがないのはどうなのかと思い、遠くの病院も視野にいれている中で結の島ナースを知りました。

結の島ナースのホームページには、綺麗な海と楽しそうな体験談が載っていて、せっかくなら海の近くで暮らしたい、簡単に帰省できない場所がいいと思い問い合わせをしました。
行ったことがない島に直接行くのは不安だったので、オンライン相談を希望しなんとなく名前のきいたことがない喜界島を選び、ハブがいない島ということで喜界島の入職を希望しました。

私はもともと混合病棟に勤務していたため、業務内容的にはほとんど変わりませんでしたが、前医ではPNSが採用されていて1人で患者を受け持つのは夜勤の時のみだったので、初めのうちは記録・処置に時間がかかる日もありましたが徐々に慣れてきました。

夜勤専従もさせていただき、夏は明け/休みとほぼ毎日海に入れてありがたかったです。
心配していた方言ですが、「島言葉わからない」って言うと、ほとんどの方は標準語に直して伝えてくれるので困りませんでした。

あとは島出身の常勤の方に聞くと、丁寧に訳してくれるので勉強になりました。
内地にいては絶対にできないヘリ搬送にも同乗させていただき、良い経験になりました。
驚いたことは在宅療養率が高いということです。
内地では絶対に独居で生活していないレベルの人でも、介護サービスや親戚の手を借りながら在宅での生活を送っていることがたくさんあり驚きました。
「最期を島で」と言って80を超えてから島に持ってくる人もいらっしゃり、島への愛を感じました。
退院した患者さんと街中で会うのも島ならではだなと思いました。
私の働いていた病棟は、常勤と離島ナースが半分づつぐらいでしたが、とても優しい人ばかりで1年間楽しく働くことができました。
特に離島ナースは全国から来ていて、歳の近い人も多いので仕事のことからプライベートのこと、くだらないこと色々と相談できる人が多く仲良くさせてもらっていました。

プライベートでは一生分海に入ってやろう！と意気込んで来ていたため、とにかく海に入りました。
喜界島は海開きが４月末にあり、気温が下がるのも11月ぐらいのためほとんど毎日海に行き、SUPをしたりシュノーケルをしたり珊瑚を拾ったりと絶対に埼玉ではできない経験ができました。
どの宿舎からも自転車でスギラビーチに行けるため、同僚ともたくさん海に行けて楽しかったです。

元旦の夜勤明けにシュノーケルしたのもいい思い出です。
ここまで水の中にいた一年は人生で今後も更新されないと思います。
志戸桶島遊びにも参加させてもらい、おばあの生歌で深夜まで全世代で踊る八月踊りは圧巻でした。
自分の住んでいる地域ではもう失われている光景なので、心の底から100年後も残っていて欲しい伝統だなと思いました。

最後に喜界島民、喜界徳洲会病院の皆様、1年間ありがとうございました。
今の場所から離れてみたい、海の近くで暮らしてみたいと少しでも思ったらまずは相談してみましょう。
喜界島に来て後悔はしないと思います。
3ヶ月から勤務は可能ですが1年島にいると四季を感じることができ、最低でも半年は海に入れるのでおすすめです。