名瀬徳洲会病院で離島医療を通して学んだ看護(愛知県出身 看護師9年目)
私はもともと離島医療に興味がありました。
離島での医療は自分なりになんとなく想像はしていましたが、実際に働いてみると島では限られた病院、限られた治療の中、時に台風などの自然の脅威にさらされることもあり、正直厳しい現実があると実感しました。
と同時に限られた環境の中で今の自分に何ができるのか、何をするべきなのかを考え、また目の前のできることを疎かにせずに行う。
それは今までの急性期治療の看護の中で、忘れかけていたことでした。
名瀬徳洲会病院で私は療養型病棟での勤務でした。
療養型病棟は急性期治療を終え病状は安定してはいますが、引き続き医療的ケアや療養を必要とする方が対象です。
看護基準が20:1であるため受け持つ患者数も多く、初めは苦労することもありましたが、病棟のスタッフのみなさんはいつも優しく、質問すれば丁寧に説明してもらえたのでスムーズに業務に慣れていったように感じます。
介護スタッフの数も他病棟より多いですが、排泄・食事・入浴介助など介助量が多いため、役割はとても大きく、なくてはならない存在であると思いました。
介護スタッフから患者さんの情報や変化を教えてもらうことも多々あり、看護・介護の両面から患者さんを支えることができていたと思います。
病棟での業務は日々忙しいですが、スタッフみんなで協力していこうという雰囲気が感じられ、人間関係もよいため病棟には笑顔が溢れていました。
そのような環境の中でスタッフの一員として働けたことが嬉しかったです。
療養型病棟には意思疎通が不可能で寝たきりの状態である患者さんも多いですが、どのような状態でも人としてのQOLは大切です。
しかし、日々忙しく業務をこなすことに精一杯になりその意識が薄れがちになってしまうことがあります。
例え医療的ではない些細なケアだとしても、そのひとつでその方のQOLの向上につながることがあります。
その些細なことに気づくこと、それを大切にすること、どのような状態であっても「一人の人間としての尊厳」を守ること、という看護の基本を今回の勤務を通して改めて考え直すことができました。
生活面においては、島での台風は内地では経験しないような状況もありましたが、それも貴重な経験となり、当たり前のように何不自由なく過ごすことができる日々の生活に感謝する気持ちが強くなりました。
休みを利用して全ての奄美諸島に旅行にも行くことができ、約1年間楽しく生活できました。
また同じ離島ナースとの出会いに感化されたり、暖かい島の人との出会いに優しい気持ちになることも多々ありました。
島での経験は、今後の人生において色々なことを見直すきっかけとなりました。
来る前は迷いもありましたが、勤務を終えた今は行ってよかったと思います。
最後に、病棟スタッフ・結の島ナース担当のスタッフの方々、支えていただいた全ての方に感謝いたします。
ありがとうございました。
お問い合わせはこちら矢印アイコン